この記事では美容師や理容師がマイクロ法人で節税可能かについてお伝えします。
結論から言うと、美容師や理容師の方もマイクロ法人を利用した節税は十分に可能です。
そこで、具体的な節税の方法まで説明してみたので、マイクロ法人を利用してお得に節税したい美容師や理容師の方はぜひ最後まで読んでみてください。
マイクロ法人で美容師が節税する方法:売り上げの一部を法人に移行
まず大前提としてマイクロ法人と個人事業では異なる業務を扱う必要があります。
主となる収入源を個人事業とし、その他の一部の事業を法人で計上するということにするといいでしょう。
その上で法人から一定の役員報酬を得る立場をとり、法人で社会保険に加入します。
こうするとサラリーマンと同じ扱いになるので、個人事業主で社会保険に加入する必要がありません。
したがって、マイクロ法人から受け取る役員報酬を少なくすれば、社会保険料を少なくできるのです。
法人で計上する売上例①:店販などの小売り部分
マイクロ法人で扱う業務の一例として挙げられるのが、店舗での物販売上でしょう。
店舗で使用しているヘアケア商品などを店舗またはインターネットで販売し、その利益を法人として計上する方法です。
すでにホームページなどがある場合はすぐに始めることもできるでしょう。
法人で計上する売上例②:サービスの一部
ネイルやマツエクなどの美容師・理容師以外のサービスを別のものとして扱い、法人の売り上げとして計上します。
着付けなども資格やスキルがあれば是非お勧めしたいサービスです。
既にあるサービスの他、新しく小規模な付帯サービスを始めるきっかけにもしやすいかもしれませんね!
法人で計上する売上例③:ブログやYouTubeでの収入
ブログやYouTubeなどによる収入を法人の売上として計上する方法もあります。
本業と全く違うことを書いたり、撮ったりするのも、もちろんいいでしょう。
ですが、知識を生かした、美容ブログや、ヘアセットの動画など本業につながるものだと本来の自分の仕事にもいい影響を与える可能性も出てくるのではないでしょうか。
さらに自分でブログを立ち上げなくとも、クラウドワーカーとしてライターなどの仕事もありますよ。
マイクロ法人で美容師が節税するメリット・デメリット
社会保険の加入などについては利益を感じられると思いますが、もちろんメリットもあればデメリットもあります。
以下に起こりうるメリット・デメリットを解説します。
マイクロ法人で美容師が節税する3つのデメリット
会社を運営していくために必ず必要になるお金や必要書類があります。
手間やお金がかかるということでデメリットとしてお伝えしておきます。
デメリット①:均等割7万円
赤字の場合法人税は課されませんが、所得金額に関係なく法人税均等割が課税されます。
金額は事業資本金や従業員で決められますが、資本金1000万円以下で従業員50人以下の場合年間7万円が必要になります。
デメリット②:税理士費用の負担
個人事業主の時は自分で経理をしていた方もいるでしょうが、法人となると、なかなか難しくなります。
そこで税理士に依頼するという選択肢が出てきます。
税理士費用は顧問契約と決算料さらにオプションという構成で料金がかかります。
もちろん決算だけ税理士に依頼するという方もいるようですが、法人の経理を自分一人で行うのはかなり大変でしょう。
税理士の相場はこちらをご覧ください。
デメリット③:確定申告が2つになる
マイクロ法人での法人税の確定申告と、個人事業主としての所得税の確定申告の両方が必要になります。
これらをすべて自分でするには負担が大きくなるので税理士に依頼する方が増えるようです。
マイクロ法人で美容師が節税する4つのメリット
でも、メリットはデメリット以上に大きいです。
次のようなメリットがありますので、確認してみてください。
メリット①社会保険料の削減
個人事業主の場合、社会保険料は自己負担で、国民健康保険や国民年金に加入しますが、マイクロ法人を設立し、報酬を受け取る立場になると健康保険や厚生年金に加入できます。
社会保険に二重に加入することはないので、社会保険は法人として加入します。
ここで、マイクロ法人からの報酬を少なくすれば、社会保険料を少なくすることができます。
また、扶養家族がいる場合はさらなる節税になります。
メリット②給与所得控除による節税
マイクロ法人として、最低55万円の給与所得控除が受けられます。
したがって、役員報酬をこの額に収めるように設定すると所得税が発生せず、住民税なども抑えることができるでしょう。
個人事業主では給与所得控除は受けられませんが、個人事業主の青色申告の控除と合わせるとかなりの控除を受けることができますね。
メリット③社会的信用の向上
マイクロ法人を作るメリットとして意外に大きいのが社会的信用の向上ではないでしょうか。
個人であろうと法人であろうと実績や将来性を見て融資や契約が結ばれるのは間違いないでしょう。
しかし法人にしかない融資などもありますし、法人としか契約を結ばない企業もあるようです。
そうした時に法人であることが有利に働くというのも確かですよね。
メリット④計上できる経費の幅が広がる
自分への役員報酬はもちろん経費となるわけですが、他にも個人事業主ではできないものが経費になります。
例えば家賃でも、自宅兼事務所となっていると個人では一部経費になりますが、法人の場合、自宅を会社の社宅とすることで必要経費とみなすことが可能です。
ただし、あまりにもいい物件だと会社から経済的利益を得たことにされてしまうので注意が必要です。
マイクロ法人で美容師が節税する場合の注意点
単身世帯の場合は特に美容師国保があるので、設定する役員報酬によってはそれほどの効果がないことがあるのでよく調べてみる必要があります。
社会保険の減額を目的にするのであれば、利益が見込める業務は個人で、そのほかの業務を法人の売り上げとして計上するようにすると良いでしょう。
ただし、利益が一定額を超えてくると法人の売り上げを多く計上した方がよいでしょう。
これは個人の所得税と法人税の税率が違うことに由来します。
マイクロ法人で美容師が節税可能かについてまとめ
美容師や理容師がマイクロ法人化することで節税は可能です。
念のため、メリットデメリットについておさらいしておきましょう。
上記のように、メリット・デメリットをまとめてみました。
収入や扶養家族の有無など自分の状況をしっかり把握したうえで、法人と個人にしっかり業務を振り分けることができるようならマイクロ法人設立も視野に入れてみてはいかがでしょうか。