この記事では、ブログやアフィリエイトなどの報酬もマイクロ法人を利用した節税が可能かについてを解説します。
結論から言うと、ブログやアフィリエイトもマイクロ法人を利用した節税は可能です。
ただし、効果的に節税するためには一定の条件を満たす必要があります。
今回は具体的な方法まで詳しく解説していきますので、節税で損をしないように、ぜひ最後までご覧ください。
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を使った節税方法をご紹介!
ブログやアフィリエイトで生計を立てている個人事業主の方は、マイクロ法人で大幅な節税が可能になります。
具体的な利用手順を3ステップで解説します。
ブログやアフィリエイトのマイクロ法人利用手順①:マイクロ法人を設立し一部の売上を移譲
まずは、マイクロ法人の設立を進めましょう。
詳しい設立方法は以下の記事で解説しています。
マイクロ法人の設立ができたら、個人事業主として稼いでいた売上の一部を法人売上に移していきます。
この際に、法人の売上であることを証明できる状態にしておく必要があります。
具体的には以下の3点に注意しましょう。
- 得意先とは法人名義で契約する
- 請求書は法人名義で発行する
- 報酬は法人口座に振り込んでもらう
マイクロ法人と個人事業主がごちゃまぜにならないように注意しましょう。
ブログやアフィリエイトのマイクロ法人利用手順②:役員報酬を4.5万円にして給与所得控除を使うと共に社会保険に加入
個人事業主の場合、国民健康保険と国民年金に加入することになります。
マイクロ法人を設立すると、自身は法人の社長であり社員でもあるので、会社員が加入する健康保険と厚生年金に加入することができます。
社会保険料を圧倒的に下げることができるので、必ずマイクロ法人側の公的保険に切り替えましょう。
さらに、給与所得控除額55万円を適用させるために、役員報酬は4.5万円ほどに設定します。
そうすると、役員年収は55万円以下になり、マイクロ法人側の所得税と住民税は0円に抑えることができます。
ブログやアフィリエイトのマイクロ法人利用手順③:個人事業主でも収入があるため生活費は主にそちらから取る
マイクロ法人側で社会保険料を最適化しているので、個人事業側でいくら稼いでも社会保険料は変わりません。
マイクロ法人はあくまで節税が目的なので、収益は最低限になるよう調整して、生活費は個人事業主としての収益でまかなうようにしましょう。
マイクロ法人は出ていくお金を最低限に抑える盾で、個人事業主は稼げるお金を増やす剣のイメージですね。
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を活用する場合の注意点
マイクロ法人と個人事業主で売上を分散させる場合には合理的な基準が必要です。
事業活動の実態がないペーパーカンパニーを設立することは違法になりますからね。
個人事業主がマイクロ法人を設立する際は、マイクロ法人側でも継続した事業活動が証明できるように気をつけましょう。
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用する注意点①:売上のバランスを考える
法人と個人で上手く所得分散するように注意しましょう。
マイクロ法人の収益が上がり過ぎると、社会保険料が跳ね上がってしまいます。
これではマイクロ法人を利用するメリットがなくなってしまいます。
具体的には、以下の運用が社会保険料・税金の最適な状態と言えます。
年間売上:750,000円~800,000円
役員報酬:45,000円/月
⇒社会保険料:264,000円/年
所得税・住民税:0円
法人税等:70,000円
マイクロ法人の売上は80万円/年程度になるよう分散させましょう。
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用する注意点②:法人の目的に沿って合理的な理由を基に売上計上
事業実態が無いと認定されたり、恣意的と判断されないように、しっかりと売上の根拠を作っておきましょう。
節税目的で事業実態のないペーパーカンパニーを設立することは違法です。
しっかりと事業活動を行ったうえで、売上を計上するようにしましょう。
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用する注意点③:法人と個人で協業しないように注意する
マイクロ法人と個人で行う事業は明確に分けましょう。
実質的に同じ事業と税務署に判断されると、まとめて課税される恐れがあります。
例えば、マイクロ法人と個人の両方で、ブログから得た売上を計上すると完全にアウトです。
主要な収益源がブログの場合は、個人事業主としてブログを行い、マイクロ法人ではせどり・動画編集・SNS運用代行などの別事業を行うようにしましょう。
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用する5つのメリットと4つのデメリット
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用する際のメリットとデメリットについて、それぞれ解説していきます。
マイクロ法人設立にかかる費用や手間などのデメリットと、節税メリットを自分で比較できると、後悔のない選択ができます。
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用するにはこんな4つのデメリットが…
デメリット①:均等割が7万円かかる
デメリット②:税理士費用が必要になる
デメリット③:確定申告が2つになる
デメリット④:法人設立に手間がかかる
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用する4つのデメリットについてご紹介します。
それぞれのデメリットについて順番に解説していきます。
デメリット①:均等割が7万円かかる
法人に所得がなかった場合、法人所得税はかかりませんが、法人住民税は必須でかかってきます。
法人住民税は均等割として最低で年間7万円です。
これはマイクロ法人の運営で必ず発生する税コストになります。
均等割の7万円も加味したうえで節税メリットが出るのか、しっかり検討しましょう。
デメリット②:税理士費用が必要になる
法人税の申告は個人よりも複雑になるため、税理士を利用することが一般的です。
通常の法人と比較すると、マイクロ法人の処理はあまり多くないため、約10~20万円が相場と言われています。
税理士報酬も法人運営では避けられないコストの1つと言えます。
デメリット③:確定申告が2つになる
法人と個人の2箇所からから売上が発生しているので、確定申告は2回行う必要があります。
マイクロ法人の決算月は自由に決めることができますが、手間が1回増えることは事実です。
個人事業主の確定申告よりも複雑で、作成する書類が多いことも難点ですね。
このデメリットについては、税理士を利用することで幾分か軽減することが可能です。
デメリット④:法人設立に手間がかかる
法人の設立には多くの手間がかかります。
定款や登記申請書の作成や法人用銀行口座の開設など、必要な処理は多岐にわたります。
費用をかけて司法書士や税理士にお任せすることで、ある程度ご自身の負担は軽くなります。
しかし、100%お任せできるわけではないので、次に解説するメリットも吟味したうえで決めるようにしましょう。
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用するとこんな5つのメリットがある!
メリット①:社会保険料削減
メリット②:給与所得控除による節税
メリット③:社会的信用の向上
メリット④:計上できる経費の幅が広がる
メリット⑤:課税事業者の場合消費税が2年間免除される
次にブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用する5つのメリットについてご紹介します。
それぞれのメリットについて順番に解説していきます。
メリット①:社会保険料削減
マイクロ法人側で公的保険に加入すると、社会保険料の削減が可能です。
マイクロ法人を設立し、マイクロ法人から給料を受け取ることで「会社員」の扱いとなり、公的保険を健康保険と厚生年金に切り替えることができます。
健康保険と厚生年金に切り替え、マイクロ法人の売上を最低限に抑えることで、個人事業主1本の時に支払っていた社会保険料よりもはるかに費用を抑えられます。
メリット②:給与所得控除による節税
法人から受け取った給料については、給与所得控除が適用されます。
年収162.5万円以内は、給与所得控除が最低額の55万円になります。
法人から受け取る給料(役員報酬)をうまく調整することで、所得税を大きく節税することができます。
メリット③:社会的信用の向上
法人の肩書きがつくと、社会的信用が向上します。
具体的には以下のメリットを受けることができます。
- 銀行からの融資を受けやすくなる
- 事業の信頼性が高くなり、新規顧客を獲得しやすくなる
- 優良な外注先が見つかりやすい
ひとり会社でも社長の肩書きに変わりはありません。
メリット④:計上できる経費の幅が広がる
マイクロ法人を作ると、個人よりも経費にできる幅が広がります。
経費計上することでメリットが大きい項目は以下の通りです。
- 役員社宅
- 出張旅費日当
- 自動車
1. 役員社宅
マイクロ法人の場合、自宅を役員社宅扱いにできて、5~9割も経費にできます。
個人の場合、仕事場として使う面積を按分することになりますが、マイクロ法人だと自宅を仕事場にする必要もありません。
経費として計上しやすくなるうえに、節税額も増やせて一石二鳥です。
2. 出張旅費日当
マイクロ法人の場合、個人では使えない出張旅費日当を利用できます。
出張旅費日当とは、業務で必要な出張をした場合に、旅費実費と別に日当を支給するものです。
出張旅費日当のメリットは、役員報酬と違って非課税になることです。
ただし、非課税だからといって不当に高額な日当を支給すると、税務署から指摘を受ける可能性が高いです。
もちろん業務上必要な出張であることを証明できないといけないですし、金額は社長の国内日帰り出張で「5,000円/日」が妥当なラインと考えられます。
3. 自動車
事業に利用する目的であれば、車両の取得費用・維持費・自動車保険料などを経費として計上することができます。
個人名義で購入すると否認されてしまうので、法人名義で購入するようにしましょう。
メリット⑤:課税事業者の場合消費税が2年間免除される
開業してから2年間は、ある条件を満たすことで消費税を免除することができます。
消費税免除となる条件は以下の通りです。
1期目の免税条件:資本金1,000万円未満
2期目の免税条件:特定期間の課税売上が1,000万円以下、または特定期間の給与等支払額が1,000万円以下の場合
節税目的のマイクロ法人であれば、売上が大きくなり過ぎることもないので、問題なく2年間の消費税免除を受けることができます。
ブログやアフィリエイトでマイクロ法人を利用する場合まとめ
結論として、ブログやアフィリエイトで収益を得ている個人事業主がマイクロ法人を利用する場合、節税や社会保険料の削減が可能です。
改めてメリットとデメリットについておさらいしておきましょう。
合理的に法人と個人の事業と収益を分散できる場合は、マイクロ法人の設立も検討してみてはいかがでしょうか。