この記事では、マイナンバー制度で預金がバレるのかについて詳しく解説します。
近年、マイナンバー制度に関わるポイントがもらえるお得なキャンペーンが多く行われています。
しかし、ポイント目当てで安易に預金口座情報や健康保険証の情報を紐づけた結果、個人情報がダダ洩れになるのでは?なんて不安な方も多いのではないでしょうか?
特に、預金額やお金の流れが誰かにばれるのは絶対にイヤですよね。
しかし、結論からいうと、マイナンバーカードに預金口座を紐付けしたことが原因で預金額がばれることはありません。
預金口座を紐付けすると何が変わるのか、マイナンバーで何がバレるのかなど以降で詳しく解説します。
マイナンバー制度とはどんなもの?念のためおさらい
マイナンバーとは、日本で住民票をもつ全ての者(外国人を含む)に付与される12桁の番号です。
マイナンバー制度が導入される前は、住民票コードや基礎年金番号、健康保険被保険者番号など、国・行政や地方公共団体で、様々な番号によって個人情報を管理していました。
そのため個人情報のやりとりの際、多くの時間と労力がかかってしまっていたのです。
個人情報を把握する番号を1つにまとめて、行政の効率化を高めようというわけで、平成25年よりマイナンバーが交付されました。
マイナンバー制度は、行政の効率化の他にも、国民の利便性を高める、公平・公正な社会を実現する社会基盤という目的もあります。
なお、マイナンバーの利用は社会保障・税制度・災害対策分野の手続きのためと範囲が限定されています。
マイナンバーカードでバレる資産や情報はこれ!
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 性別
- 個人番号
- 本人写真等
- 総務省令で定める事項(公的個人認証に係る電子証明書等)
- 市町村が条例で定めた事項等
上記がマイナンバーカード(ICチップ)の記録事項になります。
なお「地方税関係情報」や「年金給付関係情報等」の、プライバシー性の高い特定の個人情報はマイナンバーカードのICチップには記録されません。
マイナンバーの預金口座ひも付けで何がバレる?
年金や子供給付金、税金の還付などの公金を受け取るための預貯金口座を国(デジタル庁)に登録しておく制度です。
あらかじめ預貯金口座をマイナンバーに紐づけておくことで、行政機関での口座情報の確認作業等が不要になり、公金受け取りがスムーズになります。
なぜ、マイナンバーに預金口座を紐づける必要があるのかというと上記の「公金受け取り口座登録制度」という制度があるからです。
なお2022年11月現在、マイナンバーカードへの預金口座の紐付けは任意となっています。
また、公金受け取り口座登録制度は、2022年12月末までは試行運用期間とされていてます。
2022年内は、マイナンバーに預金口座情報を登録済みでも、公金受け取りの際に口座情報の記載等の手続きが必要な場合もあるので、覚えておきましょう。
公金の受け取りが迅速になるのは2023年からに期待ですね。
公金の受け取りが効率化されるのはいいけど、口座の紐付けが原因で「預貯金口座の残高が誰かにバレるのでは?」という疑問が生まれますよね。
ここからは、マイナンバーカードに預貯金口座を登録することで誰に何がばれるのかを説明します。
マイナンバー預金口座でばれる?その①:副業の収入
【副業が会社にバレる?】
本業以外に、副業収入がある方は、会社にばれないか不安ですよね。
結論として、マイナンバーに預金口座を登録したことが原因で、副業をしていることや副業収入が会社にばれることはありません。
会社があなたのマイナンバーを知っていても、会社はマイナンバー内の個人情報を見ることはできないからです。
ただし、マイナンバーに預金口座を登録している・していないに関わらず、副業収入があり住民税を特別徴収(給与天引き)にしている方は注意が必要です。
住民税は特別徴収額の決定通知書により、給与支払者(会社)を通し納税義務者(あなた)に通知される流れとなっています。
この特別徴収額の決定通知書には前年の給与収入合計額が記載されています。
つまり、特別徴収額の決定通知書の給与収入合計額と、会社が支払った給与額を比較された場合、副業がばれる可能性があるということになります。
【副業が税務署にバレる?】
副業先が、税務署に書類(源泉徴収票等)を提出していたら、マイナンバーに口座を登録している・していないに関わらず、副業していることは税務署や役所にバレます。
なお、本業・副業に関わらず1年間のすべての収入(所得)は正しく申告しましょう。
マイナンバー預金口座でばれる?その➁:借金
マイナンバーに預金口座を登録したら、お金の流れが誰かにバレてしまうのでは?
お金の流れを見られたら、借金を返済していることもバレてしまう?
借金がありバレてしまう不安がある方もいるかもしれませんが、マイナンバーに口座を紐付けしたことが原因で借金がバレることはありません。
なぜなら、マイナンバーに口座を登録したからといって、預貯金口座の残高や取引記録等の情報が知られることはないからです。
ただし、税務調査や生活保護等の資産調査の際は、マイナンバーに預金口座を紐付けしているしていないに関わらず、行政に預貯金口座を見られることになります。
その場合、借金をしている方は、行政の方に借金をしていることがバレます。
マイナンバー預金口座でばれる?その③:扶養親族の収入
年末調整の際に家族全員のマイナンバーを記入しますよね。
会社は家族のマイナンバーを知っているから、預金口座を登録していたら、会社に扶養親族の収入がバレるのでは?
なんて疑問はありませんか?
結論として、マイナンバーによって、会社に扶養親族の収入がバレることはありません。
上記で述べた通り、会社はマイナンバー内の個人情報を閲覧することはできません。
そもそも、扶養控除を受けるためには、扶養親族の1年間の正しい収入(所得)を自己申告する必要があります。
万が一、申告した扶養収入が誤っていた(扶養控除を受けられる収入額ではなかった)際は、後日税務署から指摘がある場合もあります。
会社に扶養親族の収入はバレなくても、マイナンバー口座登録の有無に関わらず、税務署や役所は個人の収入所得を把握しています。
会社に扶養親族の収入はバレないからこそ、正しい申告を心がけましょう。
誤った扶養親族の収入の申告は、年末調整のやり直しになる場合がありますのでご注意ください。
マイナンバー預金口座でばれる?その④:タンス預金
タンス預金とは、現金を自宅に保管しておくことをいいます。
マイナンバーに預金口座を登録したら、取引履歴からタンス預金がバレる?といった疑問はないでしょうか。
結論、マイナンバーに預金口座を紐付けが原因でタンス預金がバレることはありません。
マイナンバーに預金口座を紐付けしても、預貯金口座の残高や取引記録等の情報が知られることはないからです。
ただし、税務調査等の場合は行政に預貯金等の資産を調べられますので、取引記録からタンス預金がバレる可能性もあります。
タンス預金は、相続税の課税対象です。
マイナンバーに預金口座を紐付けしている・していないに関わらず、相続の際は正しい申告をしましょう。
マイナンバーに預金口座をひも付けするメリット・デメリット
金融機関名や口座番号等の口座の情報が国に登録されることとなりますが、預貯金残高等の情報が知られることはありません。また、口座を登録しているかどうかに関わらず、税務調査等の法令に基づく場合を除いて、預貯金口座の残高や取引記録等が確認されることはありません。
引用:デジタル庁>ホーム>政策>よくある質問:公金受取口座登録制度について(総論)Q1-14より
マイナンバーの預金口座ひも付けによって、預貯金残高やお金の出入りが知られることはないとのことです。
ただし、預貯金口座を登録しようがしまいが、税務調査等の場合には預金残高や取引記録は見られることになります。
つまり、マイナンバー制度が導入したからといって、行政や地方が新たに把握できる個人情報が増えたわけではありません。
あくまで、個人情報の管理方法が変わったということですね。
マイナンバーに預金口座を紐付けするデメリット
マイナンバーに預金口座を紐付けすることで一番懸念されるのは「個人情報の流出リスク」です。
もちろんセキュリティ対策は万全にされています。
しかし、日々進化するサイバー犯罪を防ぐことができるのか懸念が残るところです。
実際に、預貯金口座等の個人情報が漏洩した場合は、誰がどのように責任をとってくれるのかも不明瞭な点です。
また、預金はプライバシー性の高い個人情報なので、誰かに除かれるのではという心理的不安が拭えません。
- 紛失の際は365日24時間カードの一時停止受付が可能
- 写真付きのため、紛失の際も他人に悪用はできない
- 特殊加工のため偽造が困難
- パスワードを一定回数間違えるとロックがかかる
- 不正に情報を読みだそうとするとチップが自動で壊れる
- 「一元管理」ではなく「分散管理」にて情報を管理している
マイナンバーに預金口座を紐付けするメリット
マイナンバーに預金口座を紐付けする最大のメリットは「公金の受取が迅速になる」ところです。
今まで給付金等の受取には、申請書の送付や、口座情報や通帳の写しが必要等の確認作業が必要な場合がほとんどでした。
しかし、マイナンバーに預貯金口座の登録を済ませておくことで、今までの面倒な書類等の提出がなくなります。
お金を受け取るなら、早くて楽な方が嬉しいですよね。
なお、公金受取口座を利用して受け取ることができる給付金等は下記の通りです。
- 年金関係
- 税関係
- 子育て給付関係
- 就学支援関係
- 障害福祉関係
- 生活保護関係
- 労災保険・公務災害補償関係
- 失業保険関係
- 職業訓練給付関係
- 健康保険関係
- 介護保険関係
- 災害被災者支援関係
- その他
まとめ:マイナンバーの口座ひもづけで預金残高はバレない
マイナンバーカードに、預貯金口座を紐付けしたことが原因で、預金残高や取引り履歴が第三者にバレることはありません。
ただし、予期せぬサイバー犯罪等で、マイナンバーに登録した預金口座等の個人情報が流出してしまうなどのリスクはゼロではないことを頭にいれておいた方が良いかもしれませんね。
また、税務調査等の法令に基づいた場合は、マイナンバーの公金受け取り制度の利用有無に関係なく、預貯金等の資産を行政に見られることになります。
とはいえ、収入所得を正しく申告していれば、税務署を恐れる必要はありません。
行政の手続きが効率化することは、行政と国民の双方にとってメリットと言えますので、マイナンバーを有効に利用したいですね。