この記事では、マイクロ法人が経費(費用)にできるものは何かについて徹底解説します。
マイクロ法人として会社を設立する際に必ず発生するもの、それは利益に対して支払う税金の問題です。
「事業で得た利益を、できるだけ多く手元に残したい!」誰だってこのように考えることは当然のことではないでしょうか ?そこで重要になるのが税金対策に必要不可な必要経費です。
税金は収入から必要経費を差し引いたもので算出されますが、「マイクロ法人を立ち上げたばかりで、一体何を経費にできるのかよく分からない・・・」こういった方もきっと多いのではないかと思います。
そこで今回は、事業を行う上で、どういったものが費用化(経費化)できるかを具体的に解説します。
税金や経費についての理解をこれまでよりずっと深めて、節税で損したくない人はぜひ最後まで読んでいってくださいね!
マイクロ法人で経費化(費用化)できるもの①:自動車の減価償却費
自動車を所有する際に、マイクロ法人の場合では、法人名義で購入することで経費に計上することができます。
個人事業主でも経費にはできますが、法人名義の方が高い節税効果を得ることができるでしょう。
しかし、経費にするには、減価償却としての計上が必要となってきます。
マイクロ法人が減価償却で経費化(費用化)できる具体的な数値
自動車などの固定資産は、時間の経過と共に資産価値が下がっていきます。
減価償却というのは、下がっていく資産価値の価格分を、毎年経費と同時に差し引いていくという考えのことです。
マイクロ法人が法人名義で自動車を購入した場合、一度は固定資産という形で計上しますが、後に減価償却費として、1年ごとに経費として計上していくことになります。
減価償却には、法定耐用年数(固定資産の想定される利用可能年数)を基に決まります。
マイクロ法人が減価償却する場合の車両の法定耐用年数は、普通自動車で6年、軽自動車は4年、貨物自動車などは5年となります。(新品の場合)
また、減価償却は定額法・定率法という2つの方法どちらかを使って計算されます。
定額法
定額法とは毎年一定の金額を減価償却する方法です。
また、最終年度は一定金額から1円引かれたものが減価償却費となります。
計算式は「自動車の購入価格×定額法の償却率」です。
償却率は国税庁の省令で定められていて、自動車については0.167となっています。
例として2百万円の自動車を購入した場合で計算してみましょう。
例:2,000,000円×0.167=334,000円
普通自動車の法定耐用年数は6年ですから、購入初年度から5年までは334,000円を償却します。
ただし、最後の6年目のみ334,000円から1円を差し引かれ、339,999円が減価償却費となります。
定率法
定率法は、購入した自動車の取得価格に、ある一定の償却率を計算した金額を減価償却する方法です。
定額法とは違い、購入した初年度の減価償却費は多くなりますが、年を追うごとに金額は減少していきます。
また、※償却保証額を下回ると、取得単価の残額に対して、改定償却率といものを使ってを計算します。
そして最終年度は、定額法と同様、残額から1円が引かれ、減価償却費が決まります。
※(取得価額 × 法定耐用年数に準じた保証率)
以下、計算式となります。
「自動車の取得単(または残額)×償却率(または改定償却率)」
先程と同様、2百万円の車を購入した場合で説明します。
自動車に対しての償却率は0.333で改定償却率は0.334、償却保証額は198,220円とします。(2,000,000円×0.09911)
<普通自動車の減価償却費の例>
1年目 | 2,000,000円×0.333=666,000円 |
2年目 | 1,334,000円×0.333=444,222円 |
3年目 | 889,778円×0.333=296,296円 |
4年目 | 593,482円×0.334=198,222円(※改訂償却率) |
5年目 | 395,260円×0.334=132,017円 |
6年目 | 残額(263,243円)-1円=263,242円 |
マイクロ法人が減価償却で経費化(費用化)する際のメリット
法人名義で自動車を購入する場合、購入費用を経費にできるといったこと以外にも、大きなメリットが他にもあります。
個人で売買できる
今まで社用車として使ってきた自動車でも、必要無くなれば自由に売買することができます。
当然ですが減価償却が終了し、経理上の資産価値が無くなっても、資産の市場価値となると別物です。
使用年数が少なかったり、車自体の価値が高ければ、高額で買い取り業者やオークションで売ることができるでしょう。
また、個人へ資産の移転ができるのもメリットの1つです。
車両以外も経費にできる
自動車を所有するという事は、同時に維持するための費用も発生します。
しかし、法人名義で自動車を購入した時、購入費用以外の維持費なども経費として計上することが可能です。
燃料やメンテナンスにかかる費用は、通常どのような自動車でも年間に数十万円は必要となります。
また、社用車にかかる税金は、自家用車に比べて低く設定されているのも魅力的と言えるでしょう。
<車両以外に適応される経費の一覧>
項目 | 具体的内容 |
---|---|
手続き費用各種 | 名義変更費・登録代行手数料・車庫証明取得代行費・検査登録料 |
税金各種 | 自動車重量税・自動車税・自動車取得税・・etc |
維持費各種 | 車検費用・ガソリン代・整備点検料・タイヤ、オイル代・・etc |
自動車保険料 | 車両保険・任意保険・自賠責保険 |
交通費等 | 駐車料金・高速道路料金 |
マイクロ法人で経費化(費用化)できるもの②:賃貸の社宅家賃
ここでは、個人事業主や法人が賃貸住宅の家賃を経費にする際、抑えておきたい上記2つについて説明します。
マイクロ法人では、賃貸住宅を法人で契約すれば、社宅の家賃を経費にすることができます。
社宅と言えば、それなりの大手中小企業が所有するものをイメージしますよね。
しかし、マイクロ法人が賃貸住宅を、個人の住まいとして利用する場合でも、社宅扱いで所有することが可能です。
個人事業主より法人の方が節税効果が高い
法人は、役員の自宅(賃貸住宅)を社宅化し家賃を経費にできますが、個人事業主の場合も、家賃を経費とすることが可能です。
でも、賃貸住宅の家賃を経費にするときは、個人事業主より法人で契約した方が、大きな節税効果があります。
なぜなら、個人事業主の場合、事務所にあたる部分しか経費として認められないからです。
仮に、事務所として利用しているエリアが自宅全ての床面積に対し、2割だった場合は、経費にできるのも2割までになってしまいます。
また、実際に仕事で2割くらい使用していればいいのですが、もし税務調査が入り実態と違った時は、とても面倒なことになります。
業務の使用割合も調査項目の1つになっていますから、十分に気を付ける必要があります。
一方、法人では賃貸住宅のオーナー(大家)と、法人として契約することで、会社の社宅という形で取扱うことが可能になります。
社宅扱いにすることで、大抵は家賃の5割が経費として計上できます。
以上の理由から、賃貸の家賃を支払う際は、法人契約することがとても重要です。
法人契約なら社宅家賃を約9割も経費にできる
これまでマイクロ法人(法人)が賃貸住宅のオーナーと法人契約することで、得られるメリットについて、説明させてもらいました。
社宅としてなら、家賃の5割を経費にできるのは大変魅力的ですよね。
しかし、これから説明する重要なポイントを知ることで、家賃の約9割を経費にできます。
家賃の全てを負担してはいけない
会社の社宅には、非課税規定というものがあり、原則として会社が負担する家賃については課税されません。
でも、ここで1つ注意することがあります。
それは会社が全ての家賃を負担してはいけないということです。
なぜなら、非課税規定では個人が家賃の一部を負担している前提が、条件になっているからです。
仮に会社が家賃を全額負担してしまうと、給料とみなされ課税対象となってしまいます。
ここで重要なことは、社宅家賃は個人が一部を必ず負担する必要があるということです。
建物と土地の固定資産税を把握する
社宅家賃の節税効果を最大にするには、会社が負担する家賃の割合をできるだけ大きくすることがポイントです。
社宅家賃を会社に多く負担させる手段として、建物と土地の固定資産税を活用する方法があります。
社宅の建物と土地の固定資産税を活用し、社宅家賃の負担割合を算出することで、高い確率で個人負担を1割程度に抑えることができます。
固定資産の計算方法は以下の通りです。
①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
②12円×(その建物の総床面積(平方メートル) / (3.3平方メートル))
③(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
①∔②∔③=役員の負担額
以上の計算は非常にややこしいので、税理士さんにやってもらうことをオススメします。
固定資産の課税標準額を知る方法
建物と土地の固定資産税を活用するには、それぞれの固定資産の課税標準額が実際いくらなのが知る必要があります。
調べる方法は賃貸住宅のオーナーに手伝ってもらうか、自分で調べるかのどちらかになります。
手っ取り早いのは、賃貸住宅のオーナーに建物と土地の固定資産税の書類をコピーしてもらい送ってもらう方法です。
一般的には不動産の管理会社を通して行うパターンが多いようです。
一方、自分で調べる場合は、社宅が所在している市区町村の税務課に行き、固定資産税評価証明書(公課証明書)を発行してもらう方法があります。
そうすることで固定資産の課税標準額を知ることができます。
発行に必要なものは以下の3つです。
- 自信の印鑑
- 身分証明書
- 社宅物件賃貸契約書
固定資産税評価証明書を見ることで、土地と建物それぞれの固定資産税課税標準額を知ることができます。
いずれにしても、役員が負担する額の計算については、顧問税理士などに依頼すると良いでしょう。
マイクロ法人で経費化(費用化)できるもの③:水道光熱費
事業を行うにあたり、ガスや水道、電気代といった公共料金の支払いが発生してきます。
また、公共料金は、個人事業主やマイクロ法人の両者に関係なく、経費にすることが可能です。
しかし、公共料金を経費にする際、全てを経費にできる場合とそうでない場合があります。
なので、ご自身が今どのような状態であるかを把握しなければなりません。
そして節税面を考えた時、以上のことをしっかりと理解する必要があります。
自宅兼事務所兼の家事按分について
マイクロ法人または個人事業主が事業を行う際、当然事務所を構えることが必要です。
事務所が自宅とは別のところにある場合は、基本的に公共料金が経費として計上することができます。
しかし、賃貸で自宅兼事務所として活用してるときは、プライベートと仕事それぞれで使用している割合(使用面積や使用している時間)を考慮し、支払う家賃や公共料金を決定します。
このことを家事案文といいます。
例えば、賃貸の総床面積が100㎡で、家賃が10万円のケースで見てみます。
プライベートで70%、事業で30%使用しているなら、経費となる金額は3万円といった具合です。マイクロ法人や個人事業主の方の場合、大抵は自宅で作業していることでしょう。
もし家事按分をしていないようなら、自宅に簡単な改修工事をするなどして、一刻も早く行うと良いでしょう。
水道光熱費は事業に充てる割合で計算
事業をする上で、電気や水道などがなければ、仕事をすることができません。
自宅兼事務所では、原則として公共料金を経費にできますが、全てという訳にはいきません。
先述でもありましたが、電気・ガス・水道などの公共料金は家事按分によって決められます。
でもこういったものに対して、仕事で何%プライベートで何%使っているかなんて正直よく分かりません。
多くの場合、仕事が50%,プライベート50%としていますが、全て自由にできないときもあります。
ではもう少し詳しく見ていきます。
水道代金
水道代は最大で25~50%まで経費にすることができます。
仕事面で使用する場面は、お客さんがトイレを使うときや、お茶を出したりというような時でしょう。
飲食店などの場合は、キッチン・トイレ共に使用頻度はかなり高くなるため、多くの場合50%経費にできると考えられます。
ガス代金
ガス代の経費については業種によって大きく分かれます。
飲食店や料理教室などを個人で営んでいるばあいですと、当然1日中ガスを使うことになります。
ですので、ガス代の半分は経費にすることは可能だといえます。
一方、法律事務所やweb業界など、仕事上ガスをほとんど使用しない場合は、経費にすることは難しいでしょう。
しかし、例外として冬場にガスストーブや床暖房を使用する場合は認められることもあります。ただ10月~5月という寒い時期が条件となります。
電気代
電気代は、事務所の総床面積や稼働時間によって家事按分の比率考える場合が一般的です。
基本的に電気というものは、仕事であれ、プライベートであれ、常に使用していると考えられます。
大抵は50%経費にすることができますが、50%以上となると税務調査で指摘される可能性もあるので注意しましょう。
以上のように公共料金は経費として計上することができます。
しかし、ガス・水道・電気いずれにしても領収書は必ず大事に保管しておきましょう。
なぜなら経費として計上する際の証拠になるからです。
領収書がないと税務調査の際、経費として認められることが難しくなるので、十分注意しましょう。
マイクロ法人で経費化(費用化)できるもの④:出張旅費や宿泊費
さてここでは、法人が出張にかかる費用を経費にするときに伴なう、上記の2点について説明します。
マイクロ法人では出張旅費規定をつくることで、出張に必要な宿泊費や交通費といった諸経費を、経費として計上することができます。
出張回数の多い方は、節税効果が高くなります。
また、個人事業主ではこういった節税は認められていませんから、法人の場合であれば是非活用するようにしましょう。
出張旅費の計上ステップ①:出張旅費既定の作成方法
では出張時の節税に必要不可欠となる、出張旅費規程を作成する為の3項目を説明します。
出張旅費規定があると、節税効果の他に経理の面でも管理しやすくなるメリットが生まれます。
①出張のルール決め
出張における定義を明確にしておきましょう。
一般的に一番多いのが以下のようなことです。
- 「会社から○○距離キロ以上離れた場所へ移動して作業すること」
- 「○○キロ以上離れた場所へ行くには新幹線の利用を認める」
というように、ルールを決めることでどういったものが出張に値するかや出張区分をハッキリさせておきましょう。
②出張の手続きを決める
出張に伴なう各種手続きを決めることは必須です。
旅費の清算または申請書など、必要な書類を明確にし、しっかりと周知させます。
③支給額の詳細を決める
宿泊費や交通費など、出張時に必要な費用をいくら支給するかを決めます。
また、役員や管理職、一般社員といった役職ごとに、支給額の上限を変えるケースことが多いです。
出張旅費の計上ステップ②:出張旅費日当について検討
出張旅費日当とは、仕事で出張する際、出張の手当として支給される日当のことです。
出張時には交通費や宿泊費などとは別で、業務を行う事に対しての報酬となります。
出張旅費手当は基本的に非課税ですので、住民税や所得税もかかりません。
また、会社にとっては経費の扱いになりますから、同時に節税効果にもなります。
当然役員である社長にも支給されますから、役員報酬を減額させてでも受取るメリットがあります。
日当金額ですが、基本的に法律では、いくらまでと明確にはなっていません。
しかし、あまりにも常識から外れた金額に設定しないようにしましょう。
場合によっては、税務調査の時に指摘される恐れがあります。
なお、目安となる金額ですが、社長の場合で、1日あたり8,000円位が妥当とされています。
マイクロ法人で経費化(費用化)できるもの⑤:飲食代などの接待交際費
事業を行う上で大事なものとして、接待や会議がありますが、これらはそれぞれ経費として認められます。
しかしマイクロ法人であれ、個人事業主であれ、徹底した節税を心がける為には、会議費と接待交際費の明確な違いを知る必要があります。
会議費とは
事業運営に必要な会議や打ち合わせを行うにあたり、開催に伴なう飲食、資料などの費用のことを会議費といいます。
基本的に会計上では販売費および、一般管理費というように損益計算書ではされています。
時間または場所といった決まりは特にないので、会議に必要となった費用については会議費という形で計上することが可能です。
接待交際費との大きな違いは、経費として認められる金額に上限がないというところです。
以上の理由から、接待交際費を無理やり会議費にしようと考える人も多くいます。
しかし、その為には会議の証拠となる日付や、相手の名前といった詳細な記録が必要となります。
<会議費の例>
- 会議に使用したレンタルオフィス費用
- 会議で必要となった弁当や、茶菓子、お茶の費用
- カフェなどで打ち合わせでした時の飲食費用
- 会議を行う為に必要な資料の手配や作成にかかった費用
- 社員や関係者との打ち合わせ飲食費用
接待交際費とは
接待交際費は、得意先または仕入れ先といった、自身の事業に関わる相手に対し、「慰安、供応、接待、贈答など・・・」について支出する費用のことです。
つまり、仕事で付き合いのある人と、飲食店で食事をしたり、ゴルフや旅行に行ったりした時に支払う費用です。
ただし、従業員の為に行われる、旅行や運動会などについては含むことができません。
あくまでも顧客や得意先との間で発生した費用が、接待交際費の対象となります。
<接待交際費の例>
・接待を目的とした飲食費用(自分が接待をする側)
・事業に関連のある会合や親睦会など
・得意先への手土産代やお歳暮代またはお年賀
・接待を目的としたゴルフ費用や送迎交通費、または飲食費用
・得意先や取引先に対する冠婚葬祭などの慶弔費用
接待交際費の5,000円ルール
接待交際費では1人あたりに対して、発生した金額が5,000円以下の時は経費にすることができません。
しかし、支出費用の対象者が従業員や役員またはその親族の場合は、社内飲食費という形になり、5,000円以下でも接待交際費として処理することができます。
ただし、以下の事柄を帳簿または書類へ記載する必要があります。
- 飲食をした日付
- 飲食に参加した取引先・その他事業に関係のある人物の名前や間柄
- 飲食の参加人数
- 飲食店の所在や名称及び、かかった費用
- その他詳細の分かる記録
法人が接待交際費を経費にできる上限
マイクロ法人(法人)の接待交際費は経費として計上できる金額に上限があります。
また、接待交際費の上限は、上記の2つの会社規模によって違ってきます。
期末の資本金額または出資金額が1億円以下
期末の資本金額、出資金額が1億円以下の会社というのは、いわゆる中小企業です。
経費として計上できる金額は、大企業と比較すると少ないのの、以下2つから選べるメリットがあります。
- 年間800万円までの接待交際費の全額
- 接待交際費の全額×50%
これら2つを見比べた時、どちらを選ぶべきかは年間の接待交際費の総額で判断すると良いでしょう。
基準となる金額は1600万円で、それ以下なら①が有利です。
反対に1600万円以上なら②が良いでしょう。
なぜなら1600万円の50%は800万円ですから、単純に接待交際費の金額が1600万円より多くなるにつれて経費にできる金額が大きくなります。
期末の資本金額または出資金額が1億円以上
中小企業とは違い、期末の資本金額や出資金額が1億以上の大企業では、接待交際費の上限に選択肢はありません。
経費として認められる金額の計算方法は、接待交際費×50%の一択となります。
ですから、接待交際費はできるだけ抑えることが必要といえます。
個人事業主が接待交際費を経費にできる上限
個人事業主は接待交際費、会議費共に経費にできる金額に上限はありません。
なので、全ての接待交際費を経費として計上することができます。
しかし、上限がない為、事業に関係のないものまで、つい接待交際費で計上してしまう恐れがあります。
ですから、支出した費用が事業で発生したものか、プライベートでのものか、しっかりとし把握しておくことが必要です。
また領収書などには目的や時間、相手の名前といったものを記録しておくと良いでしょう。
マイクロ法人で経費化(費用化)できるもの⑥:役員報酬
マイクロ法人が受取れるものに、役員報酬があります。
役員報酬とは文字通り役員が会社からもらえる報酬のことで、役員報酬は会社が事業を運営する為に必要な費用と見なされ、経費として計上することができます。
また、給与所得控除も適用されるので節税効果にもなります。
家族を役員にするメリット
中小企業やマイクロ法人などには、自信の子供や配偶者といった家族を役員にしているケースが多く見られます。
一見すると「家族だから融通もきくし、仕事がしやすいから、役員にするの?」と安易に考えてしまうかもしれません。
しかし家族を役員にすることで、実は以下のようなメリットがあります。
所得税が節税できる
家族を役員にすることによって、役員報酬を分散し所得税を減税できるようになります。
現在の日本は、累進課税制度といって収入が高くなるにつれて所得税も上がってしまいます。
たとえば1人の社長が、役員報酬として720万円もらっていたとしましょう。
その他控除は考慮せず計算した場合、720万円にかかる所得税は16%なので、税金はおよそ115万円となります。
一方、役員として登記した家族と720万円の役員報酬を半分にして、360万円ずつ受け取ったとします。
360万円にかかる所得税はおよそ34万円なので、2人分を合計しても68万円に収まってしまいます。
以上の計算はあくまでも単純計算によるものですが、節税効果が大きいことは間違いありません。
贈与税と相続税の対策になる
家族が役員になることによって節税できる税金は、所得税の他にも、相続税と贈与税があります。
相続税・贈与税は所得税と同じく、累進課税制度で決まるので、それぞれの額が多くなれば税額もまた増えることになります。
財産の額にもよりますが、課税率は約10~55%となっています。
通常であれば、社長の財産が多くなるにつれ税額も上がりますが、役員報酬という形で家族に与えることで、なんと相続税と贈与税共に課税されないのです。
また、社長が亡くなった場合、妻が役員ではないと社長名義と配偶者名義それぞれの相続税が発生します。
しかし、妻が役員であれば、資産管理が可能であると見なされ、相続是の課税対象になるのは社長名義のみとなります。
社会保険の加入が可能になる
家族が役員として登記された場合、社会保険の加入が可能となります。
つまり、老後にもらえる年金を増額できる様になる訳です。
通常、国民年金制度というものは、20歳から60歳までの人の加入が義務付けられている制度です。
国民年金制度の加入者は第1号被保険者(配偶者・自営業者・学生など)または第2号被保険者(公務員・会社員)、第3号被保険者(第2被保険者に扶養されている人)などによって分類されています。
仮に会社社長の配偶者が役員となったとき、役員報酬の年収が130万円以上になると第2号被保険者となる為、厚生年金に加入することになります。
つまり、厚生年金を社長・配偶者共に、年金への上乗せが可能になるということです。
実体のない会社での節税は難しくて危険
事業をする上で、利益に伴なう高い税金を何とかしたい、と誰もが思うことでしょう。
しかし、実体のない会社をつくってまで節税をしようと考える人がいますが、これはとても難しく且つ危険なのでやめましょう。
理由は下記の2つです。
外注に依頼するものが無い
会社というのは司法書士に頼めば登記はできるので、実は設立するだけなら簡単にできます。
こういった、事業活動の実体がない会社のことをぺーパーカンパ二―といいます。
そして、ペーパーカンパニーを利用した節税は難しいといえます。
理由は売上が無いことに加え、維持費が発生するからです。
基本的なことになりますが、ペーパーカンパニーでは外注に依頼するものがありません。
ですから売上に対し、経費として計上できません。
その為、どこかしらで得た利益を役員報酬にまわすというようなことは難しいでしょう。
また、決算も当然必要ですから、税理士への依頼費用に加え、法人住民税(7万円)と維持費まで発生してしまいます。
脱税になる可能性がある
ぺーパ―カンパニーを設立する目的で1番多いのが、違法性のある脱税です。
もちろんペーパーカンパニーを設立することは、違法ではありません。
しかし、そもそも商品やサービスがありませから、売上だって当然無しです。
どうしても売上を発生させる為には、架空請求や水増し請求などをすることが必要になるのです。
もちろん、こういったペーパーカンパニーを利用した架空請求などのは、脱税行為になるので違法です。
どのようなことがあっても絶対してはいけません。
なので、何かで大きな利益を得たからといって、安易な節税を考えることはやめましょう。
マイクロ法人の経費化(費用化)は税理士さんへ相談しよう!
マイクロ法人の費用化は他にも様々なものがあります。
細かい点については、税理士さんに相談するのが最も確実で安全です。
法人の場合は専門的な会計知識が必要なうえ、申告も難しくなります。
また、場合によっては節税で数十万円の差が出る事も珍しくありません。
まだ税理士さんがお決まりで無い方は、登録から紹介まで全て無料で使える税理士紹介サイトがおすすめですよ。
多くのサイトがありますが、迷ったら以下の3社に登録しておけば間違いありません。
おすすめの税理士紹介サイト①:税理士ドットコム
税理士紹介サイトでもっともおすすめなのは税理士ドットコムです。
上場企業の弁護士ドットコムが運用する税理士ドットコムは、業界最大手です。
紹介実績や登録税理士数が最も多く、また、一度にご紹介いただける税理士さんの数も多く、安心です。
迷ったら税理士ドットコムに登録しておけば間違いありません。
おすすめの税理士紹介サイト②:税理士紹介エージェント
おすすめの税理士紹介サイト二つめは、税理士紹介エージェントです。
税理士さんの登録時に事前審査をを行っているところが最大の特徴です。
商売上の理由からは登録税理士数が多い方が有利に思えますが、あえてしっかり審査をかけていくというスタイルが、企業理念を反映していると言えそうですね。
おすすめの税理士紹介サイト③:ベンチャーライフ
おすすめの税理士紹介サイト三つ目は、ベンチャーライフです。
先に紹介した2社と違い、ベンチャーライフは圧倒的な顧問料の安さがウリの税理士紹介サービスです。
紹介実績も15万件とさすがの実績で、外せない税理士紹介サービスの1社と言えるでしょう。
当サイトでは以上の3社を特におすすめしていますので、参考にされてください。
なお、より詳しく知りたい方は、以下でご紹介していますので、よければご覧ください。
[税理士さんの探し方まとめ]
税理士紹介サイトおすすめランキング
税理士さんの探し方や選び方
税理士費用相場まとめ
[税理士紹介サイト口コミ記事]
税理士ドットコムの評判や口コミ
税理士紹介エージェントの評判や口コミ
ベンチャーライフの評判や口コミ
マイクロ法人でなにが経費化(費用化)できるのかについてまとめ
さて今回は、マイクロ法人が費用化(経費化)できるものについて解説させてもらいました。
個人事業主とは違い、マイクロ法人では経費にできる幅が広いので、大きな節税効果が期待できます。
事業の運営に伴なう維持費や設立費用が発生する厄介な部分もありますが、これらを踏まえても法人化するメリットはかなり大きいといえます。
せっかく沢山の利益があっても、税金で根こそぎとられたら本当にイヤですよね。
そうならない為にも、今回の記事で解説したことを是非活用してみて下さい。